中小企業診断士登録証

中小企業診断士の難易度

【独学でも可能!】中小企業診断士の本当の難易度

更新日:

MBAと並ぶコンサルタント系の資格で難易度が高いとされる「中小企業診断士」。

本記事では表面的な数字だけではわからない中小企業診断士の「本当」の難易度についてお伝えします。

受験を考えている方はぜひ最後まで読んでください。

 

合格率から見る中小企業診断士の難易度

中小企業診断士合格率推移

中小企業診断士のストレート合格率は毎年約4%です。

100人受けて4人しか合格しないと考えると超難関資格に感じますね。

 

ただ、中小企業診断士試験は他の国家資格と違い科目合格制度・科目免除制度があります。

勉強時間があまりとれないのなら、無理に1回の受験ですべてを網羅しようとする必要はありません。

2~3年かけてじっくり合格するといったルートもあるのです。

 

試験制度をしっかり理解することにより、中小企業診断士になるチャンスは広がります。

合格率をみて難易度にビビるのではなく、まずは試験制度そのものを理解しましょう。

 

中小企業診断士の科目合格を使うなら知らないと絶対に損するポイント

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他の国家資格(社労士・行政書士)と違った難易度の種類

中小企業診断士になるための勉強時間

中小企業診断士試験の難易度を上げているのは、この試験が「考えさせる試験」だということです。

近いレベルの国家試験だと言われている「社会保険労務士」「行政書士」と大きく異なるのが特にこのポイントです。

 

社労士や行政書士といった法律系の資格試験の多くは「暗記」で得点を重ねていきます。

法律系の資格なので、当然過去の判例や法律を覚えないと話になりませんからね。

 

中小企業診断士は「過去」ではなく現状から「未来」のことを考え「意思決定」を下すための勉強です。

 

未来のための意思決定を下すにあたって「過去の事例」だけでは対処できません。

日進月歩で技術は進化していきますし、そもそも過去の事例がないことだってあります。

 

ポイント

意思決定をするために必要な情報は何か?

意思決定をするために普段から集めておく必要がある情報は何か?

 

等を経営者の観点から考えられるようになるのが中小企業診断士です。

経営が傾きはじめてから集めたのでは遅い情報はたくさんあります。

例えば自社の損益分岐点・変動費率・固定費等は普段からモニタリングしていないと、急いで情報を集めても良いのか悪いのかの判断ができません。

(推移で見ないとわからないことが多いので)

 

中小企業診断士の勉強をすることで、あなたが企業勤めのサラリーマンだとしても、仕事を過去の事例だけから判断して行うのではなく、他の視点から物事を考えられるようになるでしょう。

また、組織作りの知識も養われるので、上司がどういった意思をもって指示を出しているのかという「意図」も汲み取れるようになります。

 

このように、あなたの「考える力」がつくことによるメリットはたくさんあります。

ただ、これまで受験勉強や仕事上の判断を「暗記」「上司の指示」に頼ってきた人にとって、

自分自身で考える力を求められる中小企業診断士試験の「難易度は高い」です。

 

ただ、既に考える力が身についている人は「社労士・行政書士試験」ほど暗記する量がない中小企業診断士の難易度は低く感じることでしょう。

 

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中小企業診断士の試験科目から見る難易度

試験科目からみる中小企業診断士の難易度

中小企業診断士の試験範囲は他の国家試験と比べると広いです。

また、1次試験・2次試験・口述試験と3段階ありそれぞれ注力しなくてはいけないポイントや難易度ががらっとかわります。

 

1次試験(マークシート式)の難易度

診断士1次試験

中小企業診断士1次試験の特徴はマークシート形式ということです。

「企業経営理論」「財務・会計」「運営管理」「経済学・経済政策」「経営法務」「経営情報システム」「中小企業経営・政策」と7科目もあるので難易度は高く感じますが、どの科目も浅く広くといったレベルの知識しか求められません。

そのため、深い理解をしていなくても、消去法で答えを出すことができる問題が多いです。

 

「総点数の60%以上であって、かつ1科目でも満点の40%未満のないこと」という足切りの規定があるので、弱点の科目を作ると突破できない可能性があるので、基本的にはまんべんなく勉強しましょう。

 

財務・会計だけ「簿記2級」レベルなので他の科目よりも少しレベルが高いですが、数字をしっかり理解していないと経営者を納得させられる提案はできません。

財務・会計は中小企業診断士どころかビジネスマンとしての基礎となる科目でもあるので、高めの難易度ですがしっかりと学習しましょう。

 

また、一次試験には科目合格制度があります。

これは1年に勉強する科目の数を絞って2~3年かけて合格することができる制度です。

上手く活用することで少し楽に中小企業診断士になれる制度ですが、使い方を間違えると逆に時間がかかってしまう制度でもあります。

科目合格制度の落とし穴を理解していない人は↓の記事も読んでみてください。

 

中小企業診断士の科目合格を使うなら知らないと絶対に損するポイント

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2次試験(論述式)の難易度

中小企業診断士合格率推移

中小企業診断士試験の難易度を上げているのが、この2次試験の論述式問題です。

1次試験は中小企業診断士としての基礎知識を広く浅く習得するための勉強ですが、2次試験は特定の分野を狭く深く理解させるための試験です。

 

中小企業診断士としての「考える力」が最も必要とされる試験形式なので難易度は高いです。

2次試験単体の合格率が約20%あるので、そこまで難易度が高くない印象を持つかもしれませんが、1次試験を突破した受験生の5人に1人しか突破できない試験です。

暗記が得意な受験生にありがちなのが「1次試験は簡単に突破できるが2次試験がどうしてもわからない」というパターンです。

「考える力」が劣っている自覚がある受験生はふぞろいな合格答案等の他人がどう回答しているか載っている書籍を読み込んで、他人の考え方を身に着けていくしかないでしょう。

 

口述試験の難易度

口述試験

口述試験の難易度は最低と言って良いでしょう。

ここまで進んだ受験生のほぼ100%が合格しています。

2次試験で回答した内容について口頭で聞かれるので、内容を忘れたりしなければ全く問題ありません。

 

落ちた受験生に共通しているのが「緊張のあまり何も答えられなかった」ことです。

 

口述試験対策は基本的に不要ですが、あがり症の自覚があるならば友人に協力してもらい練習しておくと良いかもしれません。

 

最短距離で中小企業診断士になるための超重要な勉強法

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受験者層で見る中小企業診断士の難易度

受験者層からみる中小企業診断士の難易度

ストレート合格率約4%の中小企業診断士ですが、受験者層によって見た目の難易度は変わってきます。

例えば簿記のような資格は企業の推奨資格にされていることが多く、とりあえず受験しているだけの人も多いので、本気で受かろうとしている受験生に絞って合格率を見れば公表されているものより高くなることでしょう。

ここでは中小企業診断士試験を受ける層から難易度を考えてみます。

 

Facebookで81人調査!中小企業診断士の実際の学歴

Facebookで見る中小企業診断士の学歴

調査した結果最終学歴として多く上がった大学です↓

大学名 人数
早稲田大学 5
慶應義塾大学 5
大阪市立大学 4
京都大学 4
同志社大学 4

Facebookでプロフィールに中小企業診断士と記載している81人の学歴を集計してみました。

6位以下は省略しましたが中小企業診断士は世間一般で高学歴と言われるような人が多いですね。

最終学歴が高卒の方も5人いましたが、割合にしてたった6.2%です。

中小企業診断士試験は、学歴等による受験制限がないので誰でも受けられる公平な試験ですが、実際に合格している人にはやはり偏りがありますね。

高学歴が多いという事実からも中小企業診断士の難易度は高いと言えます。

 

すべての調査結果を見たい人は↓の記事をどうぞ

高卒中卒でも受験資格あり!中小企業診断士の学歴から見る試験偏差値!

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士業のダブルライセンスが多い

中小企業診断士のダブルライセンス等の保有資格

独立行政法人中小企業基盤整備機構(J-net21)が中小企業診断士に実施した調査によると、大半の中小企業診断士が他資格も保有していることがわかります。

中小企業診断士の「考える力」と他の資格の知識を生かして、ダブルライセンスやトリプルライセンスで活躍しているようです。

私の主観ですが、独立している中小企業診断士は社労士や税理士とのダブルライセンスを生かして仕事をしている方が多いです。

診断士だけで活躍している人も多いですが、ダブルライセンスで専門領域を拡げることで、他の士業が太刀打ちできない猛者にあっているようですね。

 

 

中小企業診断士試験の本当の難易度

中小企業診断士試験の本当の難易度

ここまでのデータから中小企業診断士の本当の難易度を検証してみました。

 

独学者が中小企業診断士に合格するための教科書
独学者が中小企業診断士に合格するための教科書

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独学で合格している受験生は意外と多い

公式の情報はありませんが、他サイトで独自に情報を収集しているサイトがありましたので参考にしました。

参照-中小企業診断士に独学合格したけれど 中小企業診断士は独学合格者の割合が50%!

 

参照したサイトによると、中小企業診断士に独学で合格した受験者は約半数いるようです。

私が実際に会った診断士はTACやLEC等の資格予備校に通って勉強した人が大半でしたが、通う時間がない人は独学用のテキストを使って合格した方も何人かいました。

ただ、個人サイトなので信ぴょう性が担保されているわけではないのであくまで参考程度にしてください。

 

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ストレート合格(1年で合格)している人物像

繰り返しですが、中小企業診断士のストレート合格率は約4%と難易度は相当高いです。

その相当高い難易度をクリアしている人の多くは、試験に関係する知識をすでに持っている人です。

例えば司法書士や行政書士は法律関係の知識をもっているので法律科目で有利になりますし、銀行など金融機関に勤めている人は財務・会計の知識があるだけでなく社長と日ごろから付き合いがあるので、少なからず経営に関する知識を身に着けながら仕事をしています。

 

問われる範囲が非常に広い中小企業診断士試験だからこそ、もともと知識をもっていると非常に楽に受験できます。

テキストに載ってない知識が問われたとしても、日ごろから仕事で使っている知識ならば難なく答えられますからね。

 

もちろん、全くの初学者でストレート合格している人もいます。

知り合いに数人いますが、皆さん並々ならぬ執念で寝ている時間以外は勉強していたような人たちばかりです。

せっかく中小企業診断士試験には科目合格制度があるので、初学者は計画的に進めていくのも良いでしょう。

 

 

中小企業診断士の資格は転職に有利になる

 

転職をする際に中小企業診断士を持っていることをアピールすることで有利に進む場面は多くあります。

ただ、注意してほしいのは「中小企業診断士を持っているだけ」で効果があるわけではないということです。

中小企業診断士はあくまで「これまでの経歴」を際立たせる効果があるだけです。

 

転職希望者が面談でアピールすることの真偽は企業側では確認しようがありません。

ただ、持っている資格を詐称することは犯罪になるので資格で嘘つけないので、これまでの経歴を際立たせるために中小企業診断士で信ぴょう性と能力の高さをアピールできることが面接では重要なのです。

 

もちろん中には中小企業診断士資格そのものを優遇してくれる企業もあります。

転職に活かしたいと考えている人は、転職市場における中小企業診断士の効果を確認しておくと良いでしょう。

 

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中小企業診断士の難易度まとめ

中小企業診断士の難易度まとめ

 

難易度が高い中小企業診断士ですが、2~3年時間をかければ会社勤めをしながらでも合格できる資格です。

(努力しだいでは1年でストレート合格ももちろん可能)

ただ、勉強法やテキスト選びを間違えると3年以上かかってしまったり、そもそも合格できない可能性だってあります。

 

難関資格に臨む上で一番合格に近づける方法はTACのような予備校に通うことだと思われがちですが、中小企業診断士試験において予備校が必ずしも正解ではありません

予備校と通信講座で提供されるテキストやサービスを徹底的に比較してみましたので、中小企業診断士を目指す人はぜひ↓の記事も読んでください。

 

中小企業診断士試験は予備校よりも通信講座のほうがオススメ!メリット・デメリットを徹底比較してみた!

 

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