中小企業診断士一次試験は全科目(7科目)の平均点60点以上が合格要件です。
一度の試験で要件を満たせなかった場合、60点以上取れた科目は翌年度以降2年間免除を受けられるという科目合格制度があります。
試験範囲が膨大な中小企業診断士試験を攻略するうえで、上手く活用できれば効率的に合格できる嬉しい制度ですね。
ただ、科目合格制度は上手く使わないと逆に合格までに時間がかかってしまいかねない諸刃の剣でもあります。
本記事では一次試験の大前提と科目合格制度の上手い活用方法をまとめました。
この記事の目次
意外と知られていない中小企業診断士一次試験の特徴
ストレート合格を狙うならあまり気にしなくてよいポイントですが、科目合格を使うなら知っておいて欲しい一次試験の特徴をまとめました。
理解しておかないと二年目の受験で後悔することになるので把握しておきましょう。
一次試験の合格率は毎年ほぼ一定
毎年科目ごとに合格率が大きく変動しているにも関わらず全体の合格率は20%前後に収束しています。
ただ、グラフをみるとわかるように科目単体で見ると合格率が乱高下しており(=難易度が乱高下)、運が悪いと得意科目でも得点できないということになりかねない試験だということがわかります。
1教科鬼難易度の地雷科目が毎年ある
中小企業診断士一次試験は1科目でも40点以下の科目があると無条件で不合格という足切りのルールがあります。
ただ、厳しいルールが課せられているにも関わらず年度によっては平均点が40点代の科目もあります。
当サイトでは異常に難易度が高い科目を地雷科目と呼んでいるのですが、中小企業診断士一次試験では毎年1科目この地雷科目が存在します。
地雷科目の影響で得点調整も頻繁に実施されている
上記の表は没門による加点と平均点が低すぎたことによる得点調整の影響を表にしたものです。
赤字が部分が加点された科目です。()の中が加点された点数ですね。
地雷科目が毎年だいたい1科目ありますが、難易度をあげすぎて調整することも多々あるんですよね。
H22に中小企業診断士試験を受けた友人は経済学・経済政策で36点だったのですが、得点調整のおかげで足切りを回避し、そのままストレートで二次試験も合格していました。
こういった救済があるので、自己採点で足切りだったと諦めて勉強の手を止めず、次の試験を想定して動いておくことが大切です。
科目合格を使わずに合格を狙ったほうが安全
科目合格は上手く使えば、勉強時間を分散して効率的に合格できる素晴らしい制度ですが、無計画に利用すると逆に合格が遠のくこともあります。
例えば初年度に5科目で60点以上を取り、科目合格をつかって二年目に2科目受けたとします。
もし2科目のうち1科目が地雷科目だったら最悪ですよね?
地雷科目でぎりぎり40点取ったとしても、もう1科目では80点以上取らないと合格できません。
7科目すべて受けていれば地雷科目の影響は限りなく薄められますが、科目合格をつかうと地雷科目の影響をモロに受けてしまいます。
もちろん、科目合格のおかげで受験しない科目が地雷科目になる可能性もあります。
一種のギャンブルになるのが科目合格制度ですね。
科目合格・科目免除を使った一次試験受験の注意点
科目合格制度の勘違い・間違えやすいポイントをまとめました。
科目合格で免除した科目を除いて平均点60点以上が必要
科目合格制度を使った場合免除した科目を除いて平均点60点以上が必要になります。
たまに、「免除する科目が前年に高得点だったから翌年は楽だな」と考える人もいるようですが勘違いです。
前年の得点は一切関係ありません。
前年にいくら良い点を取っても翌年の試験に影響はないので気をつけてください。
得意科目はあえて科目免除せずに受験する
60点以上取れそうな得意科目はあえて科目免除を使わず受験するというのも1つの手です。
初年度に得意科目はすべて60点以上とったのですべて免除するというのはもったいないです。
一次試験の合格要件はあくまで平均60点以上です。
初年度に60点以上取れなかった科目だけで、翌年度に平均60点とれる自信があるのならそれでもかまいませんが、どちらがあっているのか考えたうえで科目免除の利用を考えましょうね。
科目合格を使うときは科目を最初に決めて動こう
基本的には一回で合格を狙ったほうが地雷科目の影響が少ないので安定した結果を残せます。
ただ、試験勉強をはじめた時期が6月など試験まで数カ月しかない時期だった場合ストレート合格は難しいかもしれません。
その場合二回の受験で一次試験を突破することを考えても良いでしょう。
科目合格を使う前提で動く場合に決めておきたいポイントをまとめました。
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苦手科目を科目合格で免除しておくと次年度に楽できる
科目合格を利用して合格を狙う場合は初年度に苦手科目の知識を無理やりにでも詰め込んで受けましょう。
一次試験はマークシート方式なので丸暗記でもそこそこ点数は取れます。
翌年度はのびのびと二次試験を視野に入れながら勉強しましょう。
ただ、「企業経営理論」「財務・会計」「運営管理」に丸暗記で臨むのは辞めましょう。
これらは二次試験でも出題される重要科目です。
一次試験は突破できますが、暗記で詰め込むと二次試験で苦労することになります。
おすすめは「企業経営理論」「財務・会計」「運営管理」を残しておくこと
科目合格をつかう場合「企業経営理論」「財務・会計」「運営管理」だけ残し、他の4科目を初年度に60点以上とって免除申請するのがオススメです。
「企業経営理論」「財務・会計」「運営管理」は二次試験でも問われる科目です。
もし運悪く地雷科目にこれらの3科目が選ばれてしまったとしても問題なく合格できるようにやりこむべきです。
というのも、中小企業診断士試験の最大の壁は論述式の二次試験だからです。
一次試験で難易度が高い地雷科目に選ばれてしまったとしても、問題なく高得点が取れるような習熟度にして臨みたい科目ですね。
終わりに
私が中小企業診断士の受験をしたときは幸い(?)独身だったので仕事以外の時間はすべて勉強にあてることができましたが、科目合格の利用を検討している人によっては
家族サービスをする時間もあるので勉強だけに集中できない…
いつも残業続きで勉強する時間が取れない…
など様々な理由があると思います。
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中小企業診断士試験は時事問題が頻繁に出題されるので、基本的にテキストは毎年最新のものを購入する必要があります。
ただ、予備校を利用すれば1年で約30万円かかりますし、通信講座でも5~7万円かかるので毎年購入するのは金銭的にツライですよね。
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